次回は1級にて皆様にお会いできますのを楽しみにしております。
2級講習会にてご質問頂いた内容です。
この度は、第41回コーヒーインストラクター2級検定試験にご参加いただきまして、ありがとうございました。今回受験いただいた皆様は教本をしっかりと勉強し、受験に挑まれていたことが見受けられ、運営側としては非常に嬉しく思います。 今回の試験の総評としまして、問いごとにまとめてお伝えいたします。
1カップテスト)栽培種による風味の違いは、コーヒーを学んでいく上で基礎となりますが、多くの方が正答されており、風味の違いを理解されていました。素晴らしいです。
2コーヒーの生豆について)植物学や精選方法、特定銘柄については多くの方が正答されておりました。一方で、格付けについては正答率が高くなく、教本P24~25に記載の表を利用して、格付けの基準について、理解を深めていただきたいと思います。
3コーヒーの抽出について)抽出液の風味に及ぼす影響についての問題については、多くの方が正答されておりました。一方で、コーヒー粉からお湯への成分の移行を問うような、経験・感覚だけでは回答が難しい問題については、多くの方が点数を落とされておりました。
4焙煎とブレンド)生豆に含まれる成分の割合が焙煎によってどのように原価するか、ロースト名、特定冠表示の規約等、勉強していないと正答が難しい問題でしたが、多くの方が全ての問題に正しく回答されていました。教本に記載している内容をしっかりと読み、勉強されていることが伺えました。
5生産国の場所)全体的に正答率が低い結果でした。講義の中で、収穫期を理解するためには、世界地図と連動して、赤道からの距離が大切である、と学んでいると思います。コーヒー生産国の知識を身に着けるためには、地理的な知識も大切(基本!)です。あらためて、コーヒー生産国の立地について、ご確認ください。
6焙煎後のコーヒー)コーヒーの劣化や保存、インスタントコーヒーやPET入り飲料について、多くの方が正しく理解できておりました。
7生産国の格付け)格付けについては、(2)でも記載しておりますが、正答率が全体的に低い結果でした。1級では、格付けの違いによる風味の違いも学びます。格付けに対して苦手意識のある方は、今のうちに、復習し、正しい知識を身に着けておきましょう。
総評は以上です。みなさま、試験お疲れ様でした。今後、1級の講習会でお会いできることを楽しみにしております。
はい、ご認識の通りです。
A. テキストに記載している定義通りです。栽培品種に関する定義はありませんので問題ございません。
A. そのパーツの使用比率が生豆換算で30%以上であれば問題ございません。
A.コロンビアはスクリーンサイズによる格付けを行っており、スクリーンサイズ17以上がエクセルソ スプレモ、スクリーンサイズ14以上がエクセルソ UGQとなります。
A.ケニアやタンザニアでは、他にもBやCというスクリーン規格がありアルファベット順になっています。単語の頭文字ではありません。
A.スクリーン選別の工程で、フラットビーン用のふるいとピーベリー用のふるいを組み合わせる事で分ける事が可能です。
A.カフェインは水溶性ですが、水の温度が高いと溶けやすく冷たい水では溶けにくい性質があります。加えてパーチメントに覆われている事や発酵時間も24時間程度の為に溶けだしません。
カフェインレスコーヒーの製造方法で水を使用した除去方法もありますが、カフェインだけ抜いた特殊な水でかつ温度や圧力などかけることによってカフェインを抜いています。
A.収穫時期はあくまで目安となります。収穫時期は、赤道からの距離や標高の違い、気候などによって異なり前後します。インドネシアのサブクロップに関しては11月中旬くらいに収穫のピークが始まるとお考えください。
A.アナエロビックは嫌気性発酵といい、密閉容器内を無酸素状態にし発酵を行います。酸素を好まない微生物によって発酵が行われることで違った風味が形成されるといわれています。
エアロビックとは好気性発酵といい、酸素を好む微生物による発酵処理になります。
A.精製やプロセスなどと表記されているものも実際にはありますが、意味は同じと考えます。当検定では精選としています。
A.いいえ。深煎りでもスペシャルティコーヒーとよびます。酸の有無ではなく「酸の質」を評価するためです。深煎りでも酸の質は評価できると考えます。
A.詳しくはマスター編の内容になりますが、1粒1点や5粒で1点など欠点の種類によってカウントは異なります。
A.いいえ。ピーベリーは欠点ではありません。
A.詳しくは1級編の内容になりますが、標高が高くなるほど朝晩の寒暖差があり風味が豊かになる傾向にあります。
A.明確な風味の違いはありません。
A.ブラジルの格付けはNo.2~No.8まであり、格付け上No.3やNo.2/3もあります。ブラジルに限らず教本の表はすべての格付けを網羅しているわけでありません。日本で比較的多く流通しているものを中心に記載しています。
A.焙煎すると豆が膨張します。また、焙煎を深くすると油分が表面に出てくるので、それにより表面に光沢が見られます。
A. いいえ、電子選別は色の違う生豆を選別をする機械となります。大きさ、比重は関係ありません。
A. スマトラ式は果肉(ミューシレージは軽く取り除く場合とそうでない場合がある)を取り除き一時乾燥を行い、脱殻後に生豆の状態で本乾燥をさせる方法です。
A.標高が高いと寒暖差があり風味が豊かになる傾向があります。
A. 粒の大きさで風味に優劣はありませんが、大粒の方が生産量が少ないことと見栄えが良いことにより高値で取引されています。
A.焙煎度が深くなるほどアラビカ種に関しても苦みが増加しますが、焙煎度で生まれる「苦み」とカネフォラ種の持つ「香味特徴の苦味」は別物なので、深煎りになっても、その差は感じられます。
A.具体的な成分を測っているわけではなく、味覚センサーという装置を使用して、人間がそれを飲んで感じるであろうというデータを表したものになります。
A.詳細はUSDAのホームページをご参照下さい。
A.同じ生産国の豆でも、精選方法や焙煎度、焙煎方法が違うと風味は違ってきます。
A.アラビカ種とカネフォラ種は植物分類学上の「種」の違いになります。ロブスタはカネフォラ種の主要栽培品種になります。
A. 挿し木や接ぎ木でも育てます。詳しくは1級で学んでいただきます。
A.赤道付近の生産国は年2回、収穫期のピークを迎えます。収穫量の多い方をメインクロップ、少ない方をサブクロップと呼んでいます。
A.品質・価格などのマーケティング、消費国からの要望などにより、カネフォラ種においても水洗式と非水洗式が行われています。
A.各生産国により欠点カウントが異なる為になります。欠点数は個数ではなく、欠点豆の種類や重度によって1個で1欠点とする欠点もあれば、10個で1欠点とカウントする欠点もあり、その合計点数となります。
A.焙煎豆よりも劣化速度は遅いですが、生豆も水分、酸素、温度、光の影響を受けて劣化します。許容される期間は、取り扱い事業者の判断や生豆の保管状況によって異なります。
A、組合員で出資し設備投資を行い、共同で作業をすることで品質の高いコーヒーを生産することができます。
A.スクリーン格付け以上のサイズに関しては各生産国の上位格付けに含まれます。JCQAでご紹介している範囲では、コロンビアでS-20以上の場合はエクセルソスプレモとなります。
A.気候等の栽培条件、マーケティング上の理由、伝播の歴史等が起因しています。
A.ピーベリーとフラットビーンの違いでの風味差はありません。
A.不明です。格付けを決めるような組織が存在しないことが考えられます。
A.詳しくは1級で学んでいただきますが、水洗式の外観の色合いは緑色っぽく、非水洗式は薄茶色っぽい色合いをしています。
A.レギュラーコーヒーと同様、生豆換算で30%以上の使用が条件となります。
A.アラビカ種になります。
A.標高が高くなるにつれ昼夜の寒暖差が大きくなり風味が豊かになる傾向があります。また、生産量も少なくなることから高値で取引され等級が高くなります。
A.乾燥場を十分に確保できることや水資源が豊富にあることなどにより、各生産国に適した精選方法が採用されています。
A.ブラジルの生産量は、アラビカ種は世界1位でカネフォラ種に関しては世界2位の生産量となります。カネフォラ種の世界1位はベトナムになります。
A.呼び方の違いで内容に違いはありません。
A.欠点数とスクリーンサイズで格付けされており、それぞれが独立した格付けとなっております。
A.アラビカ種やカネフォラ種と比較して風味が優れないことや、耐病性も両者の間ぐらい、また収量が低いことにより栽培されることが少なくなったのだと考えられます。
A.WIBはオランダ語でWest Indiche Bereidingの略で、日本語では西インド式精選処理方法(水洗式)になります。WIB-1は名称となります。
A.グレードの低い方が優先されます。例のハワイコナであれば「No.1」となります。
A.特定銘柄は公正取引協議会の取り決められており、エメラルドマウンテンは特定銘柄ではありません。
A.従来のMCMやMCは選別手法にのっとった表記のため、欠点数がどの程度あてはまるか明確には把握でませんでした。
各生産者、精製会社、輸出業者、いわゆる売り手側と買い手側において今までの流通方法、商売上の経験、既成概念で取り決めをしており、現在のグレード1~5と言われる欠点数では一概に当てはめることはできません。
A.アラビカ種のみとご認識ください。
A.No.2となります。詳細はマスター編で勉強していただきますが、正しくはNo.2の中にも詳細な区別が存在し欠点数12以降のNo.3に近い位置づけと理解してください。
流通上の表記はNo.2となり得ますが、売り手と買い手との相対取引において明確に「No.2欠点4」とは異なる価値、価格、条件などで差が生まれ取引されます。
以降、後半講義内容の質問です。
A. ガス抜きの穴になります。焙煎後のコーヒーは、密封した袋の場合、炭酸ガスの放出により、袋が膨張し破損する可能性があるため、ガス抜きの穴があるものがあります。ガス抜きに関しては1級で学んでいただけます。
A.いいえ。ショ糖はほぼ消失するため、ショ糖による甘さではないとお考えください。複数の要因によるものかと思われますが、現状はっきりとは分かっておりません。
A.はい。他にも粒度を細かくする方法もあります。酸味は、非常に早く抽出されるので、他の成分を出やすくすることでバランスを取るように調整してください。また、お湯で割ることでも飲みやすくなることもありますので、お試しください。
A.目的にもよるかと思いますが、例えば、コーヒーの味をそのまま取り出すことを目的にするのであれば、中性で、硬度の低い軟水が適しているかと思われます。
A.時間軸の値はとくにはございません。変化する順番を表したグラフになります。
A.ショ糖の様に、舌で感じる「味覚の甘味」はなく、鼻腔で感じる香気成分の「甘い香り」を「甘味」と感じるようです。
A.風味の表現を伝えることは①何が違うのか、②その要因は何かなどを蓄積し、判別スキルを上げること、③精選方法に起因する口当たりの違いなどの情報を伝えることなどがあります。
A.講義でお話した通り、使用する水によって味わいが異なります。求める味わいにあわせて変えていただくのも1つの方法ですので、お試しいただければと思います。
A.冷蔵冷凍保存していたコーヒーをすぐに使用する場合、抽出温度の低下によって、味が薄く、香りが弱くなります。抽出温度が低下しない豆・粉の温度を試していただければと思います。
A.1級の範囲になりますが、カフェインレスコーヒーは生豆の状態で脱カフェイン加工したものです。
A.焙煎豆と同様、酸素・水分・温度・光を避けて保存することが望ましいです。
A.その可能性はありますが、大きくぶれることはないと考えます。
A.小分けして密閉しておくことをお勧めします。
A.強い苦味を求めるのであれば深煎りの微粉を集める方法も考えられます。
A. 求める美味さは人それぞれになりますが、湯だまりができやすい器具は、湯の注ぎ方の影響を受けにくく味を安定させやすいということになります。
A.動画内では、抽出時間の短い方が連続的に、長い方が間欠的に湯が注がれているため結果として前者は抽出時間が短くなり、後者は長くなるという設定としています。
A.試験問題に何が出題されたかわかりかねることと試験問題にもお答えできません。
ですがタイトルが示すとおり、実体験していただくことが大切かと存じます。今回の講義内容を踏まえて是非試してみてください。
A.はい。4%は2.5%以上~5%未満の「コーヒー飲料」に該当するため、そのような表記になります。
A.収率とは使用した原料のうち抽出液に移行した割合となります。テキストP.119に詳細はありますがマスター編で詳しく勉強していきます。
A.8gの焙煎豆は、おおよそ10gの生豆となります。従いまして生豆5%以上使用しておりますので「コーヒー」と表記されます。
A.L値は色差計という機器で光源からの反射率で明るさだけを数値化して測定しています。白を100、黒は0で示しており、焙煎が深くなると数値が小さくなります。
A.はい。味は変わります。
A、焙煎中に起こる化学変化で水素と酸素が結びついて水分が発生します。保存中の吸湿ではありません。
A.粉の量が変わると抽出時間が変わるので、同じ風味のコーヒーを作ることはできません。
A.口当たりや余韻で判断してください。香りも吸うだけでなく、口に含んだ後に鼻から抜いた香りも判断基準となります。
A.はい、その通りです。コーヒーが冷たい状態での開封は、結露による吸湿で劣化が促進されます。また冷たい状態での使用は、抽出温度の低下につながります。
A.浸漬法は抽出条件がそれぞれ独立しており、風味を再現しやすいため安定性の高い抽出方法となります。
A、いいえ。酸素と水分(空気)の影響を取り除いた状態を保つことで冷凍保管が有効になります。
A.焙煎豆の表面に出てくる油分については、生豆に含まれている脂質です。
A.浸漬法は抽出とろ過が分かれているため、同じ風味になります。
A.チャック付きはガスバリア性が低く有効とは言えません。焙煎後の経時変化を抑えるためにはガスバリア性の高い包材を使用し、水分と酸素を取り除いた状態を保つことが必要になります。
A、上の三角は注湯量(注湯速度)を表しています。下の三角は各ドリッパーにおけるろ過速度と風味の自由度を表しています。例えば小さな一つ穴のドリッパーの場合、注湯量が多くなってもろ過速度の幅が小さくなっているのが解ります。風味は安定するのですが自由度の幅も小さくなっています。
A.全く同じ味にすることは難しいですが、浸漬法とサイフォンは抽出条件を合わせることにより味を近づけることは可能です。
A.濃度を合わせても同じ味にはなりません。濃度が同じでも、成分のバランスが同じでなければ味が異なります。
USDA発表の数値によると2022/23クロップ(60kg換算)においてインドネシアが11850千袋でコロンビアの11300千袋をわずかに上回り世界第3位の生産量と発表されています。またここ約10年内ではブラジル、ベトナムの順位は変動なくコロンビアよりインドネシアの生産量が上回ったのは2012/13と2022/23クロップのみでした。
2級範囲では各年度の正確な生産量、順位よりも世界の生産国の中では、どの国が生産量が多いのか、アラビカ種の生産が多い国、カネフォラ種の生産が多い国といったポイントにて勉強してみてください。せっかくなので1級、マスター編へとつながりますので可能な範囲で過去現在の実績も把握していただくのが望ましいと思います。