次回は1級にて皆様にお会いできますのを楽しみにしております。
2級講習会にてご質問頂いた内容です。
この度は、第43回コーヒーインストラクター2級検定試験にご参加いただきまして、ありがとうございました。
コーヒーの生産から抽出迄の幅広く出題させて頂きましたが、皆様よく勉強されて理解されておりまして多くの方に合格して頂きました。 今回の試験の総評としまして、問いごとにまとめてお伝えいたします。
(1)カップテスト
基本的な種の違いを飲み比べ頂きましたが、高い正答率となっており、風味の違いを理解されていました。
(2)コーヒーの抽出について
抽出に関しての問題については、多くの方が正答されておりました。器具による特徴と味が変わる要因についてしっかりと整理されていました。
(3)コーヒーの保存について
焙煎豆の保存や商品表示に関する問いも高い正答率でした。良く理解されていると思います。
(4)焙煎とブレンド
生豆に含まれる成分が焙煎によってどのように変化するか?ブレンドの定義など難しい問題でしたが、高い正答率でした。教本に記載している内容をしっかりと読み、勉強されていることが伺えました。
(5)生産国の位置関係や特定銘柄
全体的に正答率が低い結果となっています。販売や商品選びの際にとても大事な要素となります。代表的な生産国の位置、その国の特徴、特定銘柄の定義とその国や場所はしっかりと覚えておきましょう。
(6)栽培・精選に関して
コーヒーの種、栽培、精選方法に関しても高い正答率となっておりまして、よく理解されていると思います。
(7)生産国の格付け
格付けについては、多くの方が正答されておりました。世界各国の格付けを理解する事でコーヒーを購入される際の目安となると思いますので、しっかりと覚えておきましょう。
総評は以上となりますが、見事合格された皆様、残念ながら合格には及ばなかった皆様、もう一度教本を見直してみてください。更にコーヒーの知識を深めて頂き、今後のコーヒーライフに活かして頂ければ幸いです。
今後、1級の講習会でお会いできることを楽しみにしております。
A.アラビカ種は自然に成長させると5m程まで成長しますが、手収穫の場合は収穫しやすくするために2~3mほどで剪定をして高さを維持しています。
A.ブコバ地区ではカネフォラ種が主に栽培されている為に除外されていると思われます。
A.決められた時に業者から要望があったためです。
A.粉110gお湯1,800㏄を使って業務用のペーパードリップマシンで抽出しています。
A.パーチメントと生豆の間になります。精選方法の違いなどによりシルバースキンの付着具合が変わるため、誤解を招かないようにあえて教本には記載しておりません。
A.細長い豆だと大きく見えますが コーヒー豆のサイズは胴回りで決定しています。
A.講習で説明した通り、タンザニアの生産エリアは南北に広がっています、精選方法は気候条件で左右されるので、生産エリアの広さと精選方法は連動している訳ではありません。
A.SHBはStrictly Hard Beanの略で、Strictly は厳格に・完全なという意味で高地産の豆は固くなることが多い為このような表記になっていると思われます。
A.小さくやせ細っていたり、しわがよっていたり、また緑色の銀皮(シルバースキン)をまとっているものが多いです。
A.生豆が欠けないように、脱殻機の設定を微調整しています。
A.アラビカ種は自分の花の花粉で受粉ができる(自家受粉)のに対して、カネフォラ種は自分の木以外の花の花粉で受粉をします(他家受粉)。
A.種を播く事を意味しています。
A.特定銘柄に限るわけでは無いです。各メーカー毎に基準を設定しています。
A.カネフォラ種とアラビカ種では染色体数が異なる為に交配はされず、基本的に種が混ざる事は有りません。
A.標高が高いと平均温度が低かったり昼夜の寒暖差が大きい関係で、その果実がゆっくりと成長します。その過程で風味の素になる成分が多くなるため、結果風味が豊かになります。またサイズの大小による風味品質の良し悪しは一概には言えません。ただし大粒のコーヒー豆は外観が良く見えること、小粒に比べて生産量が少ないことから、価値はやや高くなります。
A.欠点0はつくれないというブラジルの考え方からタイプ1はありません。タイプ3やタイプ6以降は存在します。
A.地球温暖化によりアラビカ種の栽培に適した産地が減少していること、カネフォラ種は耐病性があり低地でも生育可能なため、栽培が比較的容易であることが一因として挙げられます。カネフォラ種はアラビカ種より価格も安価な傾向にあるため、需要が集まって生産量が多くなります。
A.欠点数は個数ではなく、生豆の外観や風味への影響度によって、欠点豆1個で1欠点とするものもあれば10個で1欠点とするものもあり、その合計点が欠点数となります。また、生産国によりカウント方式は異なります。教本のP113にNY式の欠点表を記載しています。
A.SCAJのスペシャルティコーヒーの定義に関しては教本P28の項目となります。格付けの標高・欠点数に関しては、高格付けの方が品質は良くなりますのでスペシャルティコーヒーに近いのではないかと思われます。スクリーンサイズの違いで風味差はありません。
A.教本P29に載っている各生産国の風味特徴を御参照願います。
A.風味差はありません。
A.結実不良が主な要因となります。
A.インドネシアは突発的な雨(スコール)が多く、早く乾燥させる必要がある為に最も乾燥時間が短いスマトラ式が採用されています。
A.生産されています。
A. 検定外の話となりますが、嫌気性醗酵(アナエロビックファーメンテーション)は空気(酸素)を遮断した状態で発酵させることで、酸素のない状態で活動する微生物の作用によって独特なフレーバーが生成される発酵方法です。果実の状態で発酵させる場合と果肉を取ってから発酵させる場合がありますので水洗式だけでは無く状況により異なります。
A.生産国で選別後にカウントされます。
A.基本的には収穫量の違いとなります。
A.各生産国における栽培条件(土壌・標高・気象条件等)や栽培品種の違いにより風味特徴に違いが出てきます。
A.嫌気性発酵工程により独特な発酵系の香りがありますが、その風味を求めるユーザーにとっては価値ある商品(原料)なので、発酵豆という欠点にはなりません。
A. 詳しくは1級での話になりますが、生豆に含まれるショ糖や、多糖類、灰分などの一部に水溶性の成分があり、それが水洗式の果肉除去後の水に浸かる際に一部が溶け出し、果実のまま乾燥を終える非水選式では全て残ります。この差が成分バランスの違いとなり、焙煎後には風味、口当たり、濃度感の違いに繋がります。また、水洗式における発酵処理で、ミューシレージが分解される時に発生する酸、アルコールが水洗式コーヒーに独特の風味を与えます。
A.エチオピア、イエメンで生産されたアラビカ種コーヒー豆をいいます。
A.インドネシアは赤道付近の生産国でその気候は小雨季と小乾季が2から3ヶ月くらいの短い周期で繰り返します。そのためコーヒーが開花するための、乾季の後の雨という条件が1年に何度もあるため1年中花が咲き、結実して成長し、熟して収穫に適した状態になるため、長い収穫期間になります。
A.同じような時期という認識で良いです。
A.はい。単一原料よりも複雑な味わい、風味の安定性、コストパフォーマンスなど様々な目的で、その目的に合ったブレンドがされています。
A.アラビカ種においても穀物系の風味のする物は御座いますが、基本的にはカネフォラ特有の香り(ロブ臭)は感じにくいです。
A.生豆300g中に何%欠点が含まれているかになります。300gであれば3%の9g以下、5%の15g以下ということになります。
A.ブラジルとインドネシアに関しては、規格は欠点数に対して付けられます。ただしブラジルでは、NY2(No2)はS17/18、NY4/5(No4/5)はS14/15/16のものが一般的に流通しており、規格とスクリーンが実質連動しています。インドネシアでは、欠点数とは別にカネフォラ種にスクリーンによる分類があります。一方でブラジル、インドネシア以外の国々は、スクリーンサイズと欠点数の両方の基準を満たして初めてその規格となります。
A.No4/5に関しては36欠点程度となります。
A.各農園の標高や土壌、日照量、降雨量が異なる事により、生産環境の違いで風味差は生まれます。又、各農園の栽培品種によっても風味は異なります。
A.アナエロビック(嫌気性発酵)は酸素にふれないで微生物発酵させており、欠点豆の発酵豆とアナエロビックのとは意味合いが異なります。
A.1級、鑑定士講習の内容になりますが、熱源を炭火とすることで伝熱を含め、焙煎温度プロファイルが大きく変わってくるので、この影響が大きく出ます。
A.基本的には欠点数で格付けされておりますが、一部消費国からのリクエスト等によりスクリーンによる分類が行われております。
A.ブラジルで生産されるカネフォラ種の栽培品種はコニロンのみとなります。
A.22/23クロップだけとればスライドの通りですが、年度が異なると生産量が異なります。3~4位がコロンビア・インドネシアと覚えて下さい。
A.酸味の強弱や質の違いとなります。
A.アラビカ種に関しては欠点数による格付けとなります。
A.栽培品種や栽培環境、育て方によりますので一概には言えませんが、100年以上も可能です。
A.どちらも作っています。非水洗式の方が多いです。
A.風味特徴に関しては非水洗式の場合を記載しております。特定銘柄の記載事項には精選方法は限定していません。
A.スマトラ式アラビカ種に分類されます。
A.コロンビアS17~はS17以上となります。ブラジルS17/18はS17、S18が主に含まれる事を意味しています。
A.保管環境によっても変わりますので一概には言えませんが、家庭での保管を考えると対策の難しい酸素と水分の影響が大きいように思います。
A.効果はあります。ただし脱酸素剤の取り扱いにはいくつか注意点があります。詳しくは1級やマスターコースで学んでいただきます。
A.ガスバリア性の低い包装のコーヒーを、その袋ごとチャック付きの密封できる袋などに入れて保存するようにアドバイスしてみてはどうでしょうか。
A.短期間で使用できるのであれば、常温保存でも問題ないと思います。
A.一般的に酸味が苦手な方は飲んですぐに感じる酸味の事に対して言われている事が多いと思います。人により異なりますので、講習会で学んだことを活用してお客様との会話を通してご自身が美味しいと感じる酸味のあるコーヒーを提案してみてください。
A.生活習慣病をはじめさまざまな疾病を予防が期待されています。詳しくは全日本コーヒー協会のホームページ(https://www.ajca.or.jp/health/)をご参照ください。
A.あくまで一例としてですが、缶コーヒーのレトルト殺菌は120℃で30分、PET入りコーヒーの高温短時間殺菌は130℃で2秒となります。
A.器具のスライドでは、湯だまりとドリッパーによるろ過速度の違いをお伝えしました。次のお湯を注ぐ場所のスライドでは、ろ過速度が速いと湯だまりが出来ずお湯の注ぎ方によって粉の層の厚さが変わり、濃さが変わる事をお伝えしました。後のスライドは図示例なので、3つ穴という意味ではありません。
A.煎り豆の方が生豆に比べ劣化スピードは速いです。しかし生豆も劣化しないわけではなく、水分や酸素などの煎り豆と同様の影響で劣化が促進されます。
A.新しいコーヒーは製造後1カ月以内の物、古いコーヒーは製造後1年以上経過した物を使用しています。
A.粉砕した粉を抽出前に茶こしでふるってお試しください。
A.お湯の温度、粉の粒度、お湯と粉の接触時間を調整して酸味・苦味がどの様に抽出出来るかを試してみて下さい。
A.美味しさは人それぞれとなりますので一概には言えません。焙煎後の経時変化による味の違いを試して頂き、美味しいと感じるタイミングを試してみて下さい。
A.講義では過酸化物価について説明しましたが、酸素を含むさまざまな劣化要因が脂質を含む成分に影響を与えます。
A.理論上は同じ味になるはずですが、ぜひご自分でお試しください。
A.生豆に関しては使用期限や消費期限はありませんが、保存期間によって焙煎後のコーヒーの風味は変化します。
A.焙煎することにより生豆に含まれるカフェインの含有量は重量目減りと同等量減少するため、焙煎豆に含まれるカフェインの含有率としては変化がありません。
A.抽出・調合後の液体を充填した缶のままレトルト殺菌を行います。
A.ドリップ抽出においては、粉の層の違いで接触時間が変わることで、成分の移動量が変わり濃度が変わります。
A.サイフォンとモカポットの抽出の原理は異なります。お湯が上に上がる原理は同じですが、モカポットは透過抽出でサイフォンは浸漬抽出になります。
A.講義の中で説明した酸味成分や苦味成分の特徴は抽出の仕方によってもコントロールできますので、講義で学んで頂いた事を参考に様々な抽出方法を試してください。
A.必要ありません。この表示ルールは、市販されている缶やボトル入りコーヒー飲料等の一括表示(裏面表示)の「名称」に表示する際に適用されます。
A.美味しさの判断は人によって異なるのでどちらが美味しくて・美味しくないかは皆様それぞれの判断になります。
A.抽出条件が変わると、濃度だけではなく味わいのバランスが変わります。そのため、濃度が同じなら、近い味になる可能性はありますが、味わいのバランスが異なる場合もある為、必ずしも同じ味とは言えないことになります。
A.一般的なペーパーでは油脂はペーパーに吸着する為に、抽出液には油脂は含まれないと考えられます。そのため、油脂をドリップで抽出したいのであれば金属製フィルターで抽出する事が必要です。
A.一般のご家庭での保存の場合、基本的には古く感じる前に使いきれる量を購入頂くのが基本になります。保存が必要な場合は、講習内容で説明した保存の注意点に気を付けた上で、冷凍庫などでの低温保存が有効です。
A.直接的に甘さを感じる成分は含まれておらず、甘い香りの成分があり、その香りの印象から甘く感じると考えられています。
A.Brix値は20℃を基準にして定義されていますので、液体が冷めてから計測することが必要です。器具によっては温度補正をする機能がついていますが、実際に測定して補正誤差範囲を確認してから測定する事が適切です。
A.ドリップの方が器具が比較的安価で揃えやすく、扱いやすさもある為に手軽に始められる点が好まれていると思われます。
A.特に決まりはございません。できるだけ早く、より低い温度に下げたほうが抽出後の味の変化を抑えられます。
A.メリットは湯の注ぎ方の影響を受けにくくなるので味を安定させやすい事になり、デメリットは湯の注ぎかたで味に変化をつけにくい事です。
A.冷凍していたコーヒーで、すぐに抽出すると抽出液の温度が下がり、湯温が低下することで抽出効率が悪くなり抽出液の濃度が薄くなりやすいので常温に戻してから使っていただいた方が良いです。
A.アミノ酸が直接コーヒーの香りになるのではなく、焙煎する過程で化学反応により香りの成分に変化します。
A.お店側が提供したい酸味と苦味のバランスが、その湯温で抽出した最適であると判断されたからだと思います。
A.酸味の抽出量は「湯温」「接触時間」「挽き具合」でコントロールすることが難しいので、ブラジル等など酸味が比較的マイルドな国のコーヒーを選ぶ、焙煎度の深いコーヒーを選ぶ、アルカリ性の強いお水を使うといった方法が考えられます。
A.コーヒーの粉に直接お湯を注ぐ事により液体が濃くなりすぎないことを防ぐためになります。
A.カフェインを除去する方法によって風味差も多少異なってきます。カフェインを除去する際にかける負荷の大小や、カフェイン以外の成分の除去量(カフェイン以外の成分は100%残るということではない為)などが原因となります。
A.ブレンドコーヒーを使用しております。