次回は1級にて皆様にお会いできますのを楽しみにしております。
2級講習会にてご質問頂いた内容です。
この度は、第42回コーヒーインストラクター2級検定試験にご参加いただきまして、ありがとうございました。
コーヒーの生産から抽出迄の幅広く出題させて頂きましたが、皆様よく勉強されて理解されておりまして多くの方に合格して頂きました。今回の試験の総評としまして、問いごとにまとめてお伝えいたします。
(1)カップテスト
基本的な種の違いを飲み比べ頂きましたが、高い正答率となっており、風味の違いを理解されていました。
(2)コーヒーの抽出について
抽出に関しての問題については、多くの方が正答されておりました。一方で、成分による抽出速度の違いや、モカポットの抽出とエスプレッソ抽出の違いについての問いで間違いが多くみられました。
(3)コーヒーの保存について
焙煎豆の保存や商品表示に関する問いも高い正答率でした。良く理解されていると思います。
(4)焙煎とブレンド
生豆に含まれる成分が焙煎によってどのように変化するか?ブレンドの定義など難しい問題でしたが、高い正答率でした。教本に記載している内容をしっかりと読み、勉強されていることが伺えました。
(5)生産国の位置関係や特定銘柄
全体的に正答率が低い結果となっています。販売や商品選びの際にとても大事な要素となります。代表的な生産国の位置や特定銘柄の定義と場所はしっかりと覚えておきましょう。
(6)栽培・精選に関して
栽培・精選方法に関しても高い正答率となっておりまして、よく理解されていると思います。
(7)生産国の格付け
格付けについてはやや正答率が低くなっておりまして、中米各国の等級(グレード)名で迷われたように感じました。世界各国の格付けを理解する事でコーヒーを購入される際の目安となると思いますので、しっかりと覚えておきましょう。
総評は以上となりますが、見事合格された皆様、残念ながら合格には及ばなかった皆様、もう一度教本を見直してみてください。更に珈琲の知識を深めて頂き、今後のコーヒーライフに活かして頂ければ幸いです。
今後、1級の講習会でお会いできることを楽しみにしております。
A.栽培エリアの標高の違いにより収穫するタイミングの差が異なります。そのため収穫時期が長くなります。教本、スライドの範囲は目安としてお考えください。
A.欠点数は個数ではなく、生豆の外観や風味への影響度によって、欠点豆1個で1欠点とするものもあれば10個で1欠点とするものもあり、その合計点が欠点数となります。また、生産国によりカウント方式は異なります。教本のP113にNY式の欠点表を記載しています。
A.単純に各生産国による呼称の違いとなります。
A.1級の範囲となりますが、大きさの違いが風味に影響を与えることはありません。
A. 1級の範囲となりますが、標高が高いほど昼夜の寒暖差の影響により品質が良くなる傾向にあります。そのことから格付けは上位になります。スクリーンサイズに関しては、サイズの違いによる風味面での優劣はありませんが、スクリーンサイズが大きい方が豆の見た目が良くなることから格付けは上位になります。
A.品質差はありません。メイン・サブ関係なく、品質の良し悪しは作柄によって異なります。
A.教本P44に、国際コーヒー機関(ICO)と米国農務省(USDA)のホームページアドレスを記載していますので、そちらでご確認ください。
A.はい。ただし、ハンドピックは色の違いだけでなく、欠け豆など外観を損ねる欠点豆も取り除いています。
A.生産国の気象条件、農園の設備、地理的条件によって品質、生産コストを踏まえて使い分けをしております。
A.ハンドソーティングの表現について間違いではないと思いますが、当検定委員会ではハンドピックに統一しています。
A.表示の根拠となる資料を示せないと優良誤認となる恐れがあります。
A. No.1はありません。No.2が最高格付けとなります。
A.「約」135mlとご理解ください。毎回同じ湯量でカップテストを実施することが重要です。
A.直接紫外線に当たるのは生豆ではなく果肉、パーチメントのため影響は極めて少ないと思われます。
A.セレクトとなります。
A.基本的には生産国で評価された物が輸入されますが、消費国側で評価してスペシャルティとされる物もあります。
教本ではコロンビアで生産されたアラビカ種コーヒー豆で同国輸出規格に基づくスプレモをいう。とされていますが、コーヒー公正取引協議会のHPではコロンビアにて生産された同国輸出規格に基づくアラビカコーヒー豆をいう。とされています。どちらが正しいのでしょうか?
A.コーヒー公正取引協議会が正しいです。定義に変更があり教本のアップデートが遅れております。協議会の定義にある同国輸出規格にスプレモの規格が含まれます。
A.欠点豆に関しては国内消費用かインスタントコーヒー等に加工される事例があります。
A.気候変動によりコーヒーベルトの位置は変わりつつありますが、現時点ではコーヒーベルトに含まれている生産地域で栽培されています。また、各生産国で気候変動に対応する栽培品種の開発も行われています。
A..センターカットを縦に見たときの生豆の横幅になります。
A.生産エリアや生産量、精選設備の規模などによって変わりますので、一概に比較することはできません。
A.詳しくは1級で学びますが、発酵の際に発生する酸やアルコールなどが独特の風味を与えます。また過度の発酵は異臭の原因になります。
A.耐病性があり低地でも生育可能なため、栽培が比較的容易だからです。それにともない価格も安価になることが期待されるため、需要が集まって生産量が多くなります。
A.欠点数が少ない方が味も良くなる傾向にあります。
A.違います。
A.明度となりまして明るさを表します。L値0が黒で100が白です。そのため浅煎りは数値が大きく深煎りは数値が小さくなります。
A.当検定ではミューシレージで統一しております。
A.メインとサブでの風味差はありません。
A.生産国で欠点豆を減らせばグレードは良くなります。生産国で格付けされて輸入したコーヒーを再選別しても、日本では格付けが変わるわけではありません。
A.1ロットは数袋から数百袋まで様々です。
A.基本的には収穫量の違いとなります。
A.いいえ。非水洗式のコーヒーは果実のまま乾燥し、生豆を取り出したコーヒーのことを言います。
A.収穫量の5~20%程含まれます。
A.アラビカ種とカネフォラ種は、コロンビアエクセルソUGQとインドネシアWIB-1、浅煎りと深煎りは、どちらもコロンビアエクセルソUGQ、非水洗式と水洗式は、ブラジルNo.2 S-17/18とコロンビアエクセルソUGQ、新しいコーヒーと古いコーヒーは、どちらもブレンドコーヒーとなります。
A.密度が低く水に浮いてしまう生豆です。白っぽくなること多いため目視での判断も可能です。産地では比重選別で主に取り除かれ、その後の比色選別でも取り除かれます。
A.栽培品種は限定されません。栽培種の限定はあります。
A.1級の範囲となりますが、高地の方が生産量が少ないことや標高が高いほど昼夜の寒暖差の影響により成熟期間が長くなり、風味が良くなる傾向にあるので等級が高くなります。
A.ドライチェリーは乾燥後の果実のことをいいます。当検定では、パーチメントに覆われた生豆を状態に関係なくパーチメントコーヒーと呼んでいますが、生産国ではドライパーチメントと呼ぶこともあります。
A.はい。焙煎を含む加工全てになります。商品に有機JAS認証をつけて販売する場合、加工に関わる全ての工程で認証を取得する必要があります。
A.SCAJのスペシャルティコーヒーの定義は教本記載の通りとなりまして明確な基準がないため、各社(個人)で判断して良いですが、行政庁などから問い合わせがあった際に、明確な根拠を示せるように準備しておく必要があります。
A.乾燥時の気候、水を十分に使えないことや乾燥場の広さを含めた地理的条件、消費国からのニーズや生産国でのマーケティング戦略など、様々な要因を考えて採用されています。
A.検定では販売しておりません。
A. 開花・結実した後に果実が完熟果実となてから収穫期になります。
A.両方実施しているところはあります。
A.いいえ。特定銘柄のブルーマウンテンはジャマイカブルーマウンテン地区にて生産されたアラビカ種コーヒーのことを指します。栽培品種ブルーマウンテンは1級の範囲になりますが、ジャマイカを起源とするティピカ系のものを指します。
A.はい。エチオピア、イエメンで生産されたコーヒーがモカコーヒーと呼称されます。
A. 国としての格付け規格がないからです。
A.標高が高いと寒暖差が大きくなり、風味が優れる傾向にあります。スクリーンの違いに関しては、風味の優劣はございません。
A.冠表示として商品を販売しているのか、補足情報として表示しているのかによって見解が異なります。
冠表示をする場合は生豆換算で30%以上の使用が必要となりますので問題があります。冠表示ではなく、特色のある原材料の使用を強調表示する場合は、食品表示法によりその配合割合(ハワイコナ10%使用など)を記載することとなっています。
A.精製処理や選別済みの生豆の中にドライチェリーが混入すると欠点扱いになります。
A.生豆300gにて判断するというルールですので、問題ありません。
A.ありません。
A.栽培エリアの標高の違いにより収穫するタイミングの差が異なります。そのため収穫時期が長くなります。教本、スライドの範囲は目安としてお考えください。
A.通年に渡り収穫されていおり、収穫ピーク時期がマークされております。教本、スライドの範囲は目安としてお考えください。
A.タケンゴンはアチェ州にあります。
A.生産国の状況や需給・供給のバランスにより価格は日々変動しておりますので一概に値差は決まっておりません。
A.基準については不明ですが、全日本コーヒー公正取引協議会会員の要望によって、全日本コーヒー公正取引協議会会員が決定しました。
A.焙煎豆と比べると緩やかであるが、生豆も同じ要因で劣化は進みます。賞味期限の設定はありません。
A.教本に書かれている国以外でもコーヒー生産は行われております。コーヒーベルトに入っているエリアで栽培条件が合えば作ることは可能です。
A.標高による格付に関しては標高が高くなると風味が豊かになる傾向があります。欠点は少なくなれば雑味が少なくなります。スクリーンについては大小による風味の優劣はありません。
A.コーヒー生豆原料を生産するにあたってできるだけ混入をしないように決められた豆・異物の総称の数となります。各国で基準が異なりますが欠点豆ごとに何粒で1欠点とカウントするかのルールがあり、それに基づいて計算します。教本P113にニューヨーク式欠点表がありますので参考にしてください。
A.コーヒーの花は雌しべと雄しべを同時に持つ雌雄同体です。ですが、カネフォラ種の場合は他の株からの花粉が受粉しなければ結実しません。ちなみにオリーブもコーヒーノキと同じ雌雄同体の花をもち他家受粉で結実します。
これ以降、講義後半分野の質問です
A.はい。可能です。
A.はい。違いがあります。苦み成分の移動速度は、酸味に比べると遅いものから非常に遅いものまで様々存在しており、移動速度が非常に遅い苦み成分には渋みを伴った苦みや重たい味わいの苦みが含まれます。
A.抽出方法の違いより濃度が違えばカフェインの抽出量も違います。
A.表面積が増える点もそうですが、粉の中心から表面までの移動距離が短くなることが大きな要因です。また、ドリップ抽出では粉が細かくなると抽出時間が長くなりますので、ふたつの要因で濃くなります。
A.定義付けはしていませんが、少ないほど良いとされています。抽出液を飲んでみて濃さを感じた場合、茶こしなどで振るって抽出してください。
しかし微粉が入ることを考えた、味作りをする奥深さもあります。いろいろ試してみてください。
A.変わりません。
A.コーヒーに求める美味しさは人それぞれですので、一概に言うことはできません。抽出とろ過を別々に行うことができる抽出器具の場合は、抽出の条件(湯と粉の比率を含む)が同じであれば同じ風味になります。
A.効果はあります。ただし、冷凍・冷蔵保管には注意点がありますので、教本P39の確認と講義内容をもう一度思い出してください。
A..ワンウェイバルブであれば、袋内からの圧力でガス放出されますので問題ありません。
A、変わります。短期間で考えると、焙煎度が深くなることで空気に触れる表面積が増えることと、炭酸ガスが放出されやすくなりますので、香気成分の揮散が多くなります。また、長期間では、酸味の変化が大きく感じられるため、浅煎りのほうが風味の劣化を感じやすくなります。
A.抽出温度や抽出時間、お湯と粉との比率で微調整することができます。
A.安定した抽出を行うのであれば、抽出技術が必要と考えます。濾過速度が速いネルドリップは、お湯の注ぎ方の影響を受けやすく、抽出時間が安定しにくい抽出方法です。また、お湯の注ぎ方が安定しないと、部分的な過抽出や、抽出不足の原因にもなりますので。慣れるまでは経験が必要です。
A.劣化要因の順番をイメージとしてとらえていただくためのグラフです。保存条件によって劣化速度は異なりますので、具体的な時間はお答えできません。
A.必ず行う必要はありません。ただし蒸らしをせずにお湯を注ぎ続けると、最初に粉の表面のコーヒーの成分がお湯に移行した後、粉の中心部から表面へ成分が移行する前に、表面の成分が薄い状態でお湯が流れ続けて濾過されるので、抽出液が薄くなる可能性があります。それを踏まえて総合的に判断してください。
中心部分は粉の層が厚いのでたっぷりお湯を注ぎ外側は層が薄く、お湯の注ぎ過ぎに注意と説明がありましたが、最初にお湯を注ぐ時に外側の部分にお湯がかかっていない状態になっても構わないのですか?
A. 全体にお湯がかからないと乾いている部分のコーヒーの成分がお湯に移行しないので、最初に全体にお湯をかけた方が抽出液の濃度が濃くなります。ただし外側の部分は層が薄いので、中心部分と同じ量のお湯を注ぐと濃度が薄くなりますので、外側の部分に注ぐ時には、少ない量のお湯を注ぐような工夫をしてください。
A..移動速度の速い酸味はコントロールが難しいと説明したので、その観点からすると効果があるかもしれません。ただし酸味は濃度を形成する一要素でもあるので、やりすぎると極端に薄くなってしまう事も考えられるので注意が必要です。
A.焙煎豆から放出される炭酸ガスは香気成分とともに揮散しますので、経時変化に影響します。炭酸ガス自体は影響しません。
A.特に影響を与えません。
A.酸味が中和され口当たりがやさしくなります。どのような水がいいとかではなく、どのような味わいや口当たりを求めるかによって使用する水を選べばよいと思います。
A.使用する水により風味が変化しますので、毎回同じ場所の水を使用することが重要です。
A.保管環境にもよりますので断定はできませんが、一般家庭での保管を考えた場合、対策の難しい酸素と、劣化速度に対する影響が著しい水分が大きな劣化要因だと考えられます。
A.カフェインが影響します。症状を悪化させたり、処方されている薬の効果を妨げるといわれています。症状がある方は医師や薬剤師に相談してください。
A.浸漬(プレス)は風味の再現性は高いですが、金属フィルターの目が粗いために微粉がろ過されず、抽出液に混ざり口当たりが悪くなること、器具に油脂が付着し後片付けに少し手間がかかります。ドリップは器具が比較的安価なことや、後片付けが容易であること、風味作りの多様性から普及していると思われます。また、お湯の注ぎ方や淹れる杯数などを定義化すれば、味の再現性を保つことも可能です。
A.当検定では蒸らしについて触れておりませんが、抽出時間の一部だと考えてください。蒸らしを行えば、粉の中心部分から表面まで成分が移動することを待つことができます。そのため抽出液は濃くなり、行わなければ抽出液は薄くなります。
A.詳しくは1級の範囲となりますが、焙煎豆中に甘味を示す成分はほとんどありません。生豆に含まれる成分にショ糖がありますが、焙煎の過程でほぼ全量消失してしまいます。鼻腔で感じる香気成分の「甘い香り」を「甘味」と感じるようです。
A.現在、各メーカーが販売しており、その商品により異なります。無漂白のペーパーは紙の香りが風味に影響を与えると言われていますが、人により感じ方が異なります。いろいろなペーパーを試してみてください。
A.様々な分野でも言及されています。定義の内容は本日の講義でお話しした内容となります。
A.はい、元々含まれている油脂となります。
A.どちらも酸味成分は同じくらい抽出されると考えられます。
A.どの方法が良いということはできません。自身で試してみて、良いと思う方法を見つけてください。
A.焙煎豆から放出された炭酸ガスが泡を作っています。
A.お湯の温度が高くなると抽出速度は速くなります。
A.一般的に「味」とは、舌で感じる事を指しており、「風味」は香りを含めた味わいを感じる時に使われる表現となります。
A,配合比率に応じて焙煎する場合は余りませんが、焙煎豆を計量してブレンドする場合は、ブレンドに使用されなかった豆が余ることになります。
A,温度が下がると空気中に含むことができる水蒸気の量が少なくなるからです。
A.液体を対流させることにより、成分が液体に溶け出やすくなる為です。例えば、角砂糖を水に入れた場合、早く溶かそうとかき混ぜるのと同じイメージです。成分を一定量含んだ(濃度が高い)液体よりも、まだ成分を含んでいない(濃度の低い)液体の方が、早く成分を溶け出させることができます。